脂肪冷却マシンの種類や人気の機器は?サロン導入前に知っておきたいポイントをご紹介

脂肪冷却は、厳しい運動や食事制限なしに、部分痩せできると人気の痩身技術です。サロンにとっても難しい技術なく施術できるため、導入しやすいメニューといえます。

今回は、導入する前に知っておくべき脂肪冷却の仕組みやメリット・デメリット、人気のマシンも合わせてご紹介します。

脂肪冷却とは?

脂肪冷却とは、皮膚と皮下脂肪層を約4℃で冷やし、脂肪細胞だけにアプローチする痩身技術です。皮下脂肪が多い方に効果的で、超音波やラジオ波など温めることで脂肪にアプローチする方法とは逆に、冷やすことで脂肪にアプローチします。

「クールスカルプティング」(クルスカ)と呼ばれることもありますが、これはゼルティック社(現在はアラガン社が買収)が開発した機械名です。

脂肪冷却の仕組み

水が0℃、血液が-18℃で凍り始めるのに対して、脂肪は4℃で凍り始めます。この違いを利用して、皮膚や血管、筋肉といった他の組織に影響を与えず、脂肪だけを凍らせ破壊することで痩身効果を得るのが脂肪冷却です。
凍った脂肪細胞はアポトーシス(自然死滅)に至り、老廃物として排出されます。脂肪細胞が減少することでサイズダウンが期待できます。

この仕組みは、クライオリポライシス理論を用いた技術です。

クライオリポライシス理論とは
ハーバード大学で開発された技術。2008年に米国レーザー学会で発表された。脂肪は4℃で凍ることに着目し、適切な温度で冷却することで、皮膚を損傷せずに脂肪細胞にアポトーシスを起こすことが報告されています。

また、冷たさを身体に与えることで、体温を維持しようとする働きが生まれ、カロリー消費も促します。

保冷剤で冷やせば痩せる?
皮膚を冷やすことで痩身効果が得られるなら、保冷剤などで冷やせばいいのでは?と考える方もおられます。しかし、保冷剤で冷やすだけでは低温火傷の危険が高いです。
・脂肪細胞を凍らせるのには30分~1時間程度必要であること
・保冷剤では一定の温度で冷やし続けることができないこと
・保冷剤の表面温度は4℃ではなく0℃であること
これらの理由から、保冷剤で皮膚を冷やしても安全に痩身効果を得ることはできません。

脂肪冷却マシンには「医療用」と「サロン用」がある

脂肪冷却技術を用いた痩身メニューは痩身サロンやエステサロンのほかに、美容外科クリニックでも提供されています。痩身理論は同じですが、医療用に開発・販売されている機器とサロンでも使用可能な機器には違いもあります。

医療用マシン

医療用の脂肪冷却マシンは、一台1000万円以上するものも多くあります。施術料金は5万円~10万円程度の場合が多いです。
サロン用マシンに比べて出力が高いものが多く、肌トラブルのリスクが高まります。

サロン用マシン

サロン用のマシンは、100万円程度~数百万円と医療用に比べれば安価です。そのため施術料金も1万円~5万円ほどです。
効果は医療用よりも穏やかですが、肌トラブルのリスクが低く、医師免許がなくても施術が可能です。

家庭用の脂肪冷却マシンについて
ネット検索すれば、家庭用の脂肪冷却マシンも見つけることができます。値段も安価で気軽に試すことができますが、使用には注意が必要です。
脂肪冷却時間を間違えれば、低温火傷など肌へのダメージのリスクがありますし、吸引によって内出血やかゆみ等の危険もあります。中には粗悪なものや安全性に疑問のある商品もあります。

脂肪冷却機器のメリット

様々な痩身技術が開発されている中で、脂肪冷却マシンを導入すべきか悩まれることもあると思います。脂肪冷却マシンのメリットを確認し、サロンのニーズや提供したいメニューと合致するかご検討ください。

部分痩せできる

脂肪冷却の大きなメリットは部分痩せの効果が期待できる点です。二の腕やお腹、太ももといった身体の気になる部位にピンポイントで施術が可能です。
通常のダイエットでは難しい部分痩せを実現することで、お客様の理想のボディラインに近づけることができます。

ただし体重の大幅な減少は難しいです。

リバウンドしにくい

食事制限や運動は、脂肪細胞を小さくすることでダイエット効果が得られます。生活習慣を元に戻すと、脂肪細胞が再び大きくなり、リバウンドしてしまいます。

脂肪冷却は脂肪細胞を壊死させ体外に排出するため、脂肪細胞の数を減らすことができます。一度排出された脂肪細胞の数が増えることはほとんどないため、リバウンドしにくいというメリットがあります。

メスを入れなくていい

脂肪細胞を減らす施術である脂肪吸引は、皮膚にメスを入れるため、傷跡が残るなどのリスクがあります。
脂肪冷却なら、脂肪細胞以外の身体の組織へのダメージはなく、リスクも低くダウンタイムを気にせず日常生活への影響もありません。

高度な技術が不要

脂肪冷却の施術は、機器を装着し、いくつかのレベルを設定するだけです。経験や知識が無くても、機器の適切な使用方法を理解するだけで施術が可能です。
新人スタッフでも施術が可能で、教育にかかる時間も少なくて済みます。施術者による効果のばらつきも抑えられます。

アフターケア不要

脂肪冷却は肌に機器を当てて冷やすだけなので、肌へのトラブルの可能性は少なく、施術後の特別なケアが必要ありません。

ただし、

  • 施術後当日は身体を温めすぎない
  • 施術翌日からは排出を促すため、マッサージや水分摂取を積極的に行う

と施術効果を高めることができます。

性別を問わない

脂肪冷却は女性はもちろん、男性の痩身にも効果を発揮します。男性の脱毛や痩身メニューを提供するサロンも増えてきましたが、脂肪冷却もおすすめの痩身技術です。

脂肪冷却機器のデメリット

脂肪冷却マシンにはデメリットもあります。導入の前には必ずデメリットも知っておく必要があります。

内臓脂肪には効果がない

脂肪冷却は皮下脂肪にアプローチする瘦身技術です。内臓脂肪を減らすことはできないため、注意が必要です。

すぐに効果を実感できない

脂肪冷却によって壊死した脂肪細胞は、1ヶ月ほどかけて体外に排出されます。
そのため、施術後すぐに効果を実感することは難しいです。即効性を期待されるお客様には不向きかもしれません。

複数回の施術が必要

脂肪冷却すると、冷やした部位の20%程度の脂肪に効果があるとされています。厚みにするとおおよそ2mmで、周囲1cmほどと言われています。
そのため1回の施術では効果を実感しにくく、一般的には3~5回ほど施術を行うと、目に見えた効果を得られます。
1,2ヶ月に一度のペースで、5回程度の施術を無理なく受けられるような価格設定がポイントです。

肌トラブルの可能性もある

肌が弱い方などの場合、施術後に赤みやたるみといった肌トラブルの危険があります。たいていの場合1~2週間でおさまりますが、内出血やかゆみ、筋肉痛のような痛みが生じることもあります。
施術中に痛みや冷たさを感じる方もおられます。

使用方法を誤ると、火傷や水ぶくれのリスクもありますから注意が必要です。

また、ごくまれに脂肪が増加することがあります。
PAH:Paradoxical Adipose Hyperplasia(逆説的脂肪過形成)という副作用で、脂肪が増加、蓄積し塊になる症状です。
アメリカで報告されていますが、日本ではまだ報告はありません。

施術を避けるべき人がいる

  • 寒冷過敏症
  • じんましん
  • 妊娠、授乳中

の方などは施術ができません。

施術の流れ

脂肪冷却の一般的な施術の流れをご紹介します。

  1. カウンセリング
  2. ジェルやシートの塗布
  3. ハンドピース装着
  4. 施術
  5. マッサージ

上記施術でおよそ1時間程度です。

脂肪冷却の施術後マッサージを行うのは、老廃物の排出を促進するためです。
施術後1~4週間の間にもリンパマッサージなどを施術することで、さらなる排出促進が期待できます。

キャビテーションなど他の痩身メニューを合わせて施術することも、痩身効果を高めることができます。
キャビテーションと併用の場合は、先にキャビテーションの施術を行わなければいけません。
キャビテーションには脂肪細胞を柔らかくする効果があります。柔らかくなった脂肪細胞のほうが凍結しやすくなるため、先に施術することでより効果を高められます。

脂肪冷却マシンの選び方

メリットとデメリットを検討し、脂肪冷却マシンの導入を前向きに進めるなら、どんなマシンを選ぶべきでしょうか。
脂肪冷却マシンを具体的に選択する場合の検討ポイントをお伝えします。

施術方式

脂肪冷却マシンには、カップ式とプレート式があります。それぞれ施術可能な部位や期待できる効果に違いがあります。

カップ式

カップ式は、施術部位を真空吸引し、脂肪を冷却する方式です。
吸引しながら冷やすため、肌が引っ張られるような感覚や、痛みを感じたり、肌のうっ血やたるみが生じる場合があります。

吸引できるだけの脂肪がある部位にしか施術できず、一度に施術できるのは1~2ヶ所で範囲も狭いですが、プレート式よりも効果が期待でき、お腹などの部分痩せに向いています。

プレート式

プレート式は、板状の冷却機を肌に当てることで冷却する方式です。
板を当てるだけなので、カップ式のような吸引による痛みやうっ血などの心配がなく、痛みを心配されるお客様におすすめです。

二の腕や背中など吸引の難しい部位にも施術が可能で、4~8ヶ所に一度に施術でき、範囲もカップ式より広いため、幅広い部位に施術したい場合はプレート式が適しています。
ただし、冷却効果はカップ式よりは弱いといえます。

どちらを選ぶべきか

カップ式か、プレート式かどちらを選ぶかは、お客様のニーズやサロンの方針によって変わります。
脂肪の比較的多い部位の集中的な部分痩せを提供するなら、カップ式
幅広い部位に対応でき、痛みなどのリスクを抑えた施術を提供するなら、プレート式
が効果的です。

パッドサイズ

カップ式、プレート式に加えてパッドサイズも確認が必要です。
パッドサイズによって一度に施術できる範囲が変わります。パッドが大きければ、より広範囲に施術が可能なため、パッドが大きい方がよいと思われるかもしれませんが、細かな部位に対応することができません。

マシンによって、施術部位に合わせた様々な形やサイズのパッドが提供されていますから、提供するメニューにあったパッドの選択が必要です。

サロンへのサポート

どんな痩身機器にも当てはまりますが、正しい使用方法で施術しなければ、期待する施術効果は得られません。効果のない施術を続けるとサロン運営に悪影響となります。

正しい使用方法は、機器の販売会社による研修で学ぶことができます。
多くの販売会社が、マシン導入時に適切な使用方法を伝える導入研修を実施していますが、中には知識が不足したスタッフによる不適切な研修が行われている場合もあります。

そのため、脂肪冷却マシンを導入する際には、どの販売会社から導入するかも大切です。

  • 質問に対する答え
  • 対応スピード

など担当者や販売会社が信頼できるか見極める必要があります。

また、マシンに関するサポートだけでなく、サロンスタッフや施術メニュー、集客に関することなどサロン運営全体のサポートを行っている販売会社もあります。
マシン導入後も長く付き合っていける販売会社を選ぶことをおすすめします。

脂肪冷却マシン紹介

それでは、人気の脂肪冷却マシンをご紹介します。

サロンで使用できるマシン

マシン名 サイトリンク 価格(税別) 方式 同時施術 消費電力 特徴
Cryo-μ(クライオミュー) 紹介サイト 150万円 カップ、プレート 1部位 450W S・M・L、3サイズの吸引アプリケータとプレートも標準装備 ヒーティング機能も搭載
3Dサラウンドクライオ 紹介サイト 250万円 カップ式 2部位 1200W 360°サラウンド技術を採用したシリコン製3Dカップ 6種類のカップがあり、顔周りも可能
Cavi-CryoⅡ 紹介サイト 250万円 カップ式 1部位 300W キャビテーション、エレクトロポレーションも施術可能な複合機
Twin Cryo
COOL SHAPING
紹介サイト 340万円 カップ式 2部位 600W 赤色LED同時照射で血行促進、美肌効果
10段階の吸引レベル設定が可能
FREEZEFATS 4S 紹介サイト 不明 カップ式 2部位 不明 シミやくすみを予防する緑色LED同時照射
COOLIPO 不明 カップ式 不明 不明
COOLIPO Twin 紹介サイト 250万円 プレート式 2部位 350W パッド4枚 EMS同時出力
CRY-O(クリオ) 不明 プレート式 4部位 650W 4枚のプレート 振動マッサージ
Cryo 4S PLUS 不明 プレート式 8部位 不明 プレート8枚
FAT FREEZA 紹介サイト 不明 カップ式 1部位 450W S・M・L、3サイズのアプリケータ

Cryo-μ(クライオミュー)は、カップとプレートの両方を搭載しているため、幅広いニーズに対応できるマシンです。

3Dサラウンドクライオは豊富なシリコン製3Dカップで、お腹や太ももといった部位以外にも、あごやわきの下などの狭い部位にも施術が可能です。

その他にも、キャビテーションやEMSなど他の痩身技術を搭載したマシン、LED同時照射で美肌効果が期待できるマシンなどサロンのニーズに応える機器が販売されています。

販売会社によっては、無料でマシンを体験でき、事前に使用方法や使用感を確かめることができます。
また、機器は購入だけでなく、リースやレンタルが可能な場合もあります。導入機器の選定時には、お問い合わせされることをお勧めします。

クリニックで使用されるマシン

医療用に開発された治療器で、導入に医師免許が必要なマシンです。サロンへの導入はできませんが、日本で有名なマシンをご紹介します。

マシン名 特徴
クールスカルプティング(旧ZELTIQ)
クールスカルプティング エリート
FDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されている
日本でも厚生労働省の認可
エリートでアプリケータが1本から2本に
クールテック
クールテック・ディファイン
スペイン製マシン
ディファインではハンドピースが2つから4つに
ヨーロッパの医療CEマークを取得
クラツー(CLATUU)
クラツー・アルファ(CLATUUα)
アプリケータは2本
アルファでは吸引力が20%アップ
ヨーロッパの医療CEマークを取得
クリスタルプロ(CRISTAL Pro) 4本のアプリケータ
超音波スキャナー搭載
CEマークを取得
フリーズファット CEマーク取得
アプリケータは1本

痩身機器の種類

脂肪冷却は、部分痩せに効果を発揮する反面、全身を施術するのには時間がかかります。
脂肪冷却のほかにも痩身技術は多種多様です。脂肪冷却以上にサロンに適した施術機器があるかもしれません。

代表的な痩身機器の種類と仕組みや特徴をご紹介します。

機器の種類 仕組み
キャビテーション 特殊な超音波によって体内の水分に気泡を発生させ、その気泡がはじけるエネルギーにより脂肪細胞を振動させ、体外に排出しやすくする方法。
広範囲に即効性が期待できる。
ハイフ 1点に超音波を集中させ、発生する熱によりピンポイントで脂肪を溶かす方法。
部分痩せが可能。
ラジオ波 電磁波を細胞内にある水分に流し、摩擦熱を発生させることで脂肪を分解しやすくする方法。
体質改善や美肌効果が期待できる。
ローラー 脂肪を身体の表面からもみほぐし、柔らかくする方法。
むくみやセルライト対策に効果が期待できる。
ドーム 遠赤外線ドームサウナのことで、ビニールハウスを小型化したようなかまぼこ型や箱型の機器で首から下を覆い、身体を温める方法。
代謝アップや脂肪燃焼効果が期待できる。
EMS 機器から直接電流を流し、電気刺激によって筋肉を強制的に動かすことで、身体を引き締める方法。
筋肉量アップが期待できる。
電磁パルス EMSより奥の筋肉までアプローチでき、運動神経へ作用することで、脂肪やインナーマッスルの収縮運動を促す方法。
非接触型で身体の引き締め効果が期待できる。

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まとめ

脂肪冷却は、リスクを抑えた部分痩せが可能な瘦身技術です。リバウンドしにくく、施術も簡単なため、メニューに加えるサロンも増えています。クリニックでも導入されていることから、知名度は上がっており、施術を希望するお客様も増えていると期待できます。

導入時には、カップ式かプレート式かなどマシンの特徴を吟味した上で、販売会社の対応やサービスにも注意してください。

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